コラム7 │ ハッピーモニターオフィス

自分の病気と付き合う2~やって来た限界~


かつては見えていた-過去の自分を振り返る時-自尊心とプライド、経験は仇にならない

小さな事務所で四季折々の催事や日常の業務にたずさわり忙しく働くこと。病状が進行するにつれてだんだんとそれが苦痛になっていくのを感じました。 何をするにも人より現況の確認に時間がかかり一向にペースが上がらない。必要な道具を言付かって取りに行ってもなかなか見つからずに帰って来ない。 書類の分類やレジ集計の作業をさせれば日が暮れる。去年やっていたことがもう今年にはまごつく…などなど、原因を探れば、それはひとえに視野が年々狭くなっていたり 暗い所が見えづらくなっているといった点に尽きることなのです。
周囲にはそれをそうと捉えてもらうことができずに、また自身でもそんな状態でいることが情けなくてたまらず 「自分はなんてノロマで仕事の出来ない奴なのだろう…」 などといった、非常にネガティブな感情につきまとわれる日々が重なっていったのでした。

仕事の成果は上がらず、病状はジワジワと進み、まるで誰にも省みられていないかのような暗い気持ちでいたある日
……白杖を持ち始めても仕事場では使わせてもらえない状態が一年以上続いていました
……事務所で一緒に作業していた上司の一人がこちらを見ないままに

「分かってるだろうな?」

とぶっきらぼうに言われたその時、とうとう自分の中で何かがくしゃっ、と壊れました。

その日も夜遅くの帰宅となり、途中電車の中から妻に 「もうこの職場で仕事を続けていく自信がない。」 と震える指先でメールを打ちました。

結局自分の勝手な都合で辞めるというのではあまりに気の毒だと、私の突きつけた辞表を取り下げ、 病気理由による退職の形へ取り成してくれた一人の上役のお陰で表面上は円満な退社ということになりました。

そんな風に今まであった仕事を蹴った私に対して

「今までよく辛抱したな。暫くはゆっくりすれば良いよ」

と、義父がそう言葉をかけてくれたことで、ようやく気持ちの鎮まる思いがしたものでした。

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