職場での風当りの強さを少しでも和らげたい一心から白杖を持つことを決めた私は、その頃、かかりつけの主治医にそのように相談しました。
先生は、あれこれと手配をしてくださったのですが、「今日言って明日」というわけにはいかないことを教えてくださり、
そこからは自身があちこちと出かけていくこととなったのですが・・・。
白杖を持つということ・・・つまり視覚障害者としての認定を受けることであり、自治体から身体障害者手帳が発行されるのを待たなければならないこと。
障害者認定を受ける為には、指定された日に所定の場所へ赴いて自らで審査を受けなければならないこと。
審査を受けて手帳が発行されれば、その後に自治体指定のセンターへ行き、白杖を注文した後に助成を受けたうえで購入する。などなど。
期日決定も私の都合ではないために、また目が見えにくい部分もあり、途中で苛立ちがあったことは事実です。
妻が休みの日でなく、1人で行かなければならない時は、初めての場所で戸惑うことが予想されたので、
「すまないけれど休みの時に一緒に下見に行ってくれないか」と頼むこともしばしばでした。
そして、ようやく自治体の福祉課で身体障害者手帳や各種書類を受け取った後、白杖を購入したその際にも
説明はその場では受けれられず、別途資格のある方からの講習を受けなければならないことを知り、唖然としました。
しばらく時が過ぎた今、自分で実際に白杖を使いこなす日々の現在となってからも振り返ってみれば、あそこでいらだっていた自分を少しばかり恥ずかしいと感じつつも、 そんな状態だったのは、つまり、自分の中で障害について正面から向き合い、受け止めようとする準備がまだまだできていなかったのだなと思うところです。
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